残留農薬




残留農薬とは

日本では、農作物を、有害な病害虫あるいはカビや他の雑草から守る為に、農作物の収穫までに使用される薬剤等を農薬と呼びます。
したがって、話題のポストハーベストは、厳密には農薬ではなく、食品添加物になります。
とうぜん収穫後の農産物にこれらの薬剤が付着していますが、これが残留農薬です。



残留農薬の危険性は?

これには二つの意見が真っ向から対立しています。
実際日本では農薬の種類による使用方法の徹底や規制などから、農産物から基準値を超える物が見つかる事はほ、非常に少数ですから、運悪くそれを食べてしまったとしても、基準値そのものが動物実験で長期間取りつづけても異状が出ない量を人間に当てはめて、更に安全係数として1/100した数字ですから、何の心配もいりません。
また農家の農薬散布の現場を見ると防塵メガネやマスク、ゴム手袋などで完全防護している姿を見て恐れを抱く人も居ますが、それは濃度の桁が違います。
このように、科学的な議論からは、少なくても国内産の農作物に関しては残留農薬が健康に良くないと言う証拠は有りません。そんな心配より交通事故の心配のほうが遥かに確率としては高いのです。
一方、別の資料によれば、日本はアメリカに次ぐ世界で2番目の農薬消費量だそうです。
この狭い耕地面積の国ですから、耕地面積あたりの消費量は、逆にアメリカの何倍にもなりおそらく世界でも有数でしょう。これをどのように考えるかだと思います。
また、その種類は数百種類に及び、それぞれの組み合わせによる複合汚染の影響は、代表的な20種類程度の組み合わせしか確認されてないようです。
したがって、健康に対して、危険と言う証拠も有りませんが、絶対安全と言う証拠も無いのが現状です。
また、日本国内では禁止されている収穫後の農薬散布(ポストハーベスト)については、海外の基準が緩い為輸入作物にはかなりの濃度で残留している物も有るようです。



国産やさいの実態は?

ここにチョット古いデーターですが、残留農薬の多い野菜と、その危険性のデーターが有ります。
おそらく、最近の実態もあまり変らないと思います。

 セロリ 発ガン性や神経性毒性のある農薬類が複数検出されるケースが多い。相乗効果により毒性が倍加することも。
 キュウリ 分解されにくく、土壌に長期間残る有機塩素系の農薬が残留しやすいウリ類。特にハウスものに残留が多い。
リンゴ 農薬の種類も使用回数も非常に多く、農薬なしでは育たない。収穫後に濃度が高まる農薬の検出例もあり。
 ミツバ 発ガン性農薬が基準値の約3倍、基準のない農薬類が3〜8倍検出された例も。
 オオバ 農薬散布直後の3倍もの濃度が検出された例も。
 パセリ 発ガン性農薬類が基準値の15〜18倍、残留効果の長い変異原性のある農薬の検出例も。
シュンギク 残留基準がないために、ダイオキシンを含む恐れのある有機リン系殺虫剤が、ハクサイの基準値の何と74倍も検出されたことも!
 ピーマン さまざまな有機リン系殺虫剤が9〜40倍と高濃度に検出。
 トマト 発ガン性が 非常に高い殺菌剤が高濃度検出。加工品の製造2年後に約6割残留した例も。
 レタス ダイオキシンを含んだり、発ガン性、催奇形性のある農薬が複数残留するケースが多い。

ここで注意して欲しいのは、このような例がありましたと言う事で、市場に出回っている物が全てこうだと言う訳では有りません。

農薬を全面的に禁止にしたら?

これもまた古いデーターで恐縮ですが、農薬をまったく使わないと、どの程度の減収になるかを、1991〜1992年にわたって社団法人日本植物防疫協会が中心となり、全国22都道府県、69ヶ所の関係機関(試験場や農業大学校など)の協力で行った調査です。

作物 水稲 だいこん 小麦 キュウリ 大豆 トマト
減少率(%) 27.5 23.7 35.7 60.7 30.4 39.1
作物 りんご ばれいしょ もも なす キャベツ トウモロコシ
減少率(%) 97.0 31.4 100 20.9 63.4 28.0

これからもわかる様に私たちの豊かな食生活は農薬によって支えられているとも言えるのです。
「もも」や「りんご」に至っては、農薬なしでは作れないと言っても過言ではありません



輸入野菜とポストハーベスト

「ポストハーベスト農薬」の「ポスト」は「後」、「ハーベスト」は「収穫」を意味し、収穫後の農産物に散布する農薬のことを言います。
 日本で「ポストハーベスト農薬」の使用は認められていませんが、諸外国では、農産物を長期保管する目的で、また輸送中の害虫やカビなどの発生による品質低下を防ぐため、広くその使用が認められています。
そして、日本に入ってくる作物に対しては、農薬の規制ではなく、食品添加物としての規制が適用されます。
この違いは、日本では農薬とは、「農薬取締法」で定められた物を、収穫前に使用したものとの定義が在るからです。
ただし例外的に、燻蒸剤は農薬とされています。
これに対して、海外ではこのような区別は無いようです。
また、工業品の輸出国である日本は、農産物の輸入に対する外圧も大きく、うっかりしていると、安全性よりも政治の取引材料に利用されがちです。
たとえば、食品添加物は、「食品衛生法」で認められたものしか使えません。
仮に認められていない食品添加物が検出されると販売禁止になります。
そのため、輸入オレンジなどに使われていた防カビ剤のOPPやTBZが検出された時、アメリカ製のレモンなどがいったんは日本での販売が禁止されながら、アメリカの圧力で、日本で食品添加物として認可されたという過去のいきさつもありました。このOPPやTBZには発ガン性や催奇形性が疑われています。れっきとした農薬です。
この敗北に懲りた厚生省は

1.輸入食品から日本で無許可の物質が見つかっても、輸出国で農薬扱いなら「食品添加物」でないので、取り締まり対象外
2.使用が「カビ等による食物の腐敗又は変敗の防止を直接の目的」でなければ対象外


このように、残留農薬問題にはやる気がないようになりました。
また、90年代の初め輸入小麦を救済するために基準値の引き上げも行っています。
このような行政の対応が、ますます国民の猜疑心と不安を増幅しています。


安全の為に我々にできる事

まず、国内生産品については、現在すべての農産物を無農薬にする事は現実には不可能です、たとえば日本全国の水田の草取りを除草剤なしですべて人力で行うと、その経済損失は、年間8000億円との試算もあるほどです。
ですから、必要最低限の農薬や化学肥料の使用は認めざるを得ません。
時々世間を騒がす高濃度の残留農薬事件は、使用者側に悪意が有るか、知識の不足から誤用した場合です。
ここで我々ができる事は、食品の安全に対しての意識の高い生産者や、業者を積極的に選択することにより、これらの生産者や業者を応援することによって、全体の意識を高めることです。
輸入作物については、出来るだけ国産品を選ぶ事が、輸入業者への圧力となり、しいては生産国の政府と農家への圧力となります。また、海外の物であっても、安全に配慮している物はきちんと評価しましょう。私の知る範囲では、バナナの中では、価格は多少高いようですが、台湾製が一番安全基準がしっかりしているようです。
ポストハーベストで、気を付けなければいけないのは、ジュースです。健康の為などと考えて100%ジュースを飲むと、かなりのポストハーベストが入っているようです。原因は薬品まみれのかんきつ類の皮がそのまま、ジュースになっているからです。国産の果物はポストハーベストは使用しませんし、残留農薬も低いので国産原料100%なら比較的安全なようです。
もう一つはパンです、これは輸入小麦が使われているからです、小麦は保存中に虫がつかないように薬品が付いています。一説では、放置しておいても7年間も虫が付かないと言う事です。原価の厳しい給食用のパンは特に危険と言う人もいます。
ショートケーキに乗っているイチゴは国内でも年間通してハウス栽培されていますが、一年のうち何回か国産の端境期と言うのが有って、ケーキ屋さんは輸入品を使わざるをえないそうですが、この時、輸入品は何日置いてもカビが生えないそうです。(国産品はすぐカビが生えるそうです)
我々にできる事は、消費者は常に生産者を監視していて、安全に熱心な生産者は積極的に支援し、安全を蔑ろにする生産者は市場から淘汰されると言うメッセージを発信し続ける事です。
その意味では、通信販売で産地の生産者の判る野菜の購入など積極的に活用すべきです。



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